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元整備士が弄った!ローターこすれ音修理の巻

 雨の日にブレーキをかける時に鳴る爆音は止まりましたが、思いっきり踏んで加速している時などにローターがパッドにこすれてわずかにシャッシャッっていう音を消していきたいと思います。

 ローター自体は見た目でそんなに歪んでいるようには見えないし、自動車と違って自転車のパッドはブレーキを離すと結構引っ込むんですね。

 新しいアルテグラなどはその戻り量を増やしてブレーキのこすれを低減しているようです。

 それでも鳴るというのならばどこかの調整が悪いのでは?

 本来はあんまり気にしないのですが、音に敏感なAKIRAさんが苦労しているようなので試しに自分の自転車で消えるかどうかやってみます。

 先ずはブレーキパッドを外します。

 ピストンをのぞいてみると内側(右側)のピストンの方が飛び出ているように見えます。

 これ、あとでピストンの位置が重要な事に気づきます。

 キャリパーをフロントフォークから外して何回かブレーキレバーを握ると内側(右側)のピストンの方が元気よく出てきます。

 実は、この前の鳴き止めの時にこちらのピストンだけ動きをよくしたのです。

 そしたら外側(左側)のピストンより元気が良くなってしまったので今回は外側(左側)のピストンもメンテしようと思います。

 まずはピストンの間にタイヤレバーを差し込みます。

 なぜタイヤレバーかというとピストンを戻す時にこのレバーの適度な柔らかさと厚みのお陰でピストンにダメージを与えることがありません。

 さらにこの厚みまでならピストンを出してもピストンが抜け出てこないからです。

 マイナスドライバーだとピストンの傷をつける恐れがあるのでいいものを見つけました。

 こいつを挟んだ状態でブレーキを何回も握ってがっちり挟み込めるようになるまでピストンを出していきます。

 ブレーキレバーを握っている時にタイヤレバーが抜けないくらいピストンが出たら内側(右側)のピストン側に両手でタイヤレバーを押し付けて内側のピストンを戻します。

 その時外側(左側)のピストンが若干飛び出てきますが、タイヤレバーの厚みでキャリパーから抜け落ちることはありません。

 内側(上側)のピストンが引っ込んで外側(下側)のピストンが飛び出た状態です。

 この状態で飛び出たピストンの摺動部(ピストンの外側)をパーツクリーナーを付けた綿棒で洗浄します。

 綿棒だとすぐに汚くなるので大雑把にぼろきれで拭き取ってから綿棒で仕上げをするといいかもしれません。

 これは下側から見たキャリパーなので外側のピストンが上に来ています。

 外周をぐるっと掃除します。

 次にシリコングリスをきれいな綿棒につけてピストンに薄く塗っていきます。

 ここはピストンとピストンシールが擦れる部分なのでブレーキパッドグリースではなくてシリコングリスの方がいいです。

 アマゾンにブレーキグリースとシリコーングリースがセットで売っているのを見つけました。

 参考にどうぞ。

 全周に渡って薄く塗ってください。

 薄く塗ってあれば大丈夫です。

 塗り終わったらブレーキレバーを何回か握って左右のピストンが同じストロークで動いているのを確認した後にピストンを両方とも目いっぱい押し下げておきます。

 キャリパーを借り付けします。

 まだ位置は決まっていません。

 ブレーキパッドを元の位置に戻してからブレーキを何回か握ってピストンのクリアランスを詰めていきます。

 この時キャリパーはまだ借り付けで、パッドがローターを挟んで離さなくなったところでキャリパーのネジを本締めすれば終了だと思ったのですが、そんな甘くはありませんでした。

 本締めした後に確認すると外側のピストンがローターを内側に曲げるのです。

 その前に内側のピストンがローターを受け止めてくれないといけないので出来るだけキャリパーを外側に移動させると今度はキャリパー本体とローターが擦れるという事態にっ!

 両方のピストンが均等に出てくればキャリパーの溝のセンターにローターを持ってくればぴったりという事ではなさそうです。

 ならば、キャリパーを先に位置決めして固定しちゃいます。

 それだと外側のパッドの方が先にローターにあたるので外側のピストンを抑えてあらかじめ内側のピストンとローターとのクリアランスを詰めておきます。

 左右のピストンの戻り量はほぼ一緒になっているのでレバーを握っていない時のピストンの位置を内側のピストンの方が若干飛び出ている状態にして事なきを得ました。

 前輪を浮かせてタイヤを回しても無音です。

 ブレーキもしっかり効きます。

 ブレーキを離した時もお行儀よく左右均等に引っ込みます。

 あとは走ってどうなるかですね。

 今日気づいたことを箇条書きにしたいと思います。

 〇ピストンを左右とも押し戻した状態からブレーキを握っていってもキャリパーの開口部の中心がが
  ローターのセンターと合うとは限らない。

 〇左右のピストンは出来るだけ同じ量だけ移動するようにメンテが必要。

 〇キャリパーの位置はある程度センターにもっていき、そこからパッドを入れて左右のピストン量を
  調整し握った時にローターに同時にあたるようになったらキャリパーを本締めする。

 〇手の小さい人などがブレーキレバーの位置を手前にしている場合は何回も握らないとピストンが出
  てこない場合があります。ブレーキを握らない状態からレバーを開く方向に移動しろがあるブレー
  キはブレーキを握った後に毎回開ききる方向にレバーを動かすとピストンが出てきます。

 〇ディスク用のフロントホイールのスポークって後輪みたいに左右非対称なんですね・・・
  (考えたこともなかったです)

  整備はあくまでも自己責任でお願いします。

 ちなみにこの前のブレーキ鳴きの作業は先週の雨走行でローターにパッドグリースが付着したようで施工前ほどではありませんがまたもやブレーキが鳴き始めました。

 ローターを掃除して様子を見たいと思います。

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